サステナブルな原材料を使用した製品の開発(「フリーフロアー」)

暮らし

技術革新

パートナーシップ

サステナブルな原材料へ変更した「フリーフロアーCPシリーズ」(2023年2月発表)

戸建てやマンション、施設など多様な床に対応する乾式二重床「フリーフロアーCPシリーズ」について、全種類のボルトの原材料を環境配慮性のある再生ナイロンに変更しました。使用した再生ナイロンは、海洋プラスチックごみで問題となっている漁網や車のエアバッグ、結束バンドなどからリサイクルしたものを原材料としており、海洋汚染対策やCO₂排出量削減に貢献します。

フリーフロアーCP
フリーフロアーCPR
フリーフロアーCP-F

サステナブルな原材料への変更に加え、部材点数を半減させた「フリーフロアーE-CP」 (2023年8月発表)

上記「フリーフロアーCPシリーズ」と同様、原材料に環境配慮性のある再生ナイロンを使用することに加え、部材点数を半減させることでCO₂排出量削減に貢献する「フリーフロアーE-CP」を開発しました。本製品は、CPシリーズよりも部材点数が少なく、接着剤やテープも不要なため、容易に分別してリサイクルすることが可能になっています。

   
フリーフロアーE-CP
部材点数を
6点→3点へ削減

LCA算定結果によるCO₂削減効果(当社のスチール製支持脚と比較)

  • フリーフロアーCPR:約44.2%削減
  • フリーフロアーE-CP:約60.1%削減
   

開発者コメント

原材料を変更する製品にフリーフロアーを選んだのはなぜですか?

近年、世界各国で2050年のカーボンニュートラルに向けた動きが活発化していることを受け、当社としてもこれまで以上に、環境に配慮した製品を開発していく必要があると考えていました。フリーフロアーは発売開始から30年以上経過しており、リニューアルを繰り返して新規性を高めてきた、フクビを象徴する商品の1つです。乾式二重床業界では、環境に配慮した商品がなく、環境配慮性を持たせることで当社独自の機能となることを狙いました。

どうして海洋プラスチックごみからできた原材料を採用したのですか?

海洋プラスチックごみのほとんどは、海洋に流出してから自然分解することがないため、生態系を含めた海洋環境など地球規模での環境汚染問題を引き起こしています。
プラスチックで建築資材を製造する当社としても取り組むべき問題であると考えていました。そんなとき、参画していたCLOMA(海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、業種を超えた幅広い関係者の連携を強め、イノベーションを加速するためのプラットフォーム)で、不当に廃棄された漁網がアザラシや海鳥に絡まって命を落としていると知り、廃漁網を再利用した建築資材の開発に取り組み始めました。

廃漁網イメージ

開発にあたり、苦労したことや難しかったことを教えてください。

今回採用した株式会社リファインバースグループの再生ナイロン原材料「REAMIDE®(リアミド)」は、これまでに建築資材としてのリサイクル事例がありませんでした。実際に日本各地の海で使われていた漁網を再利用しているため、種類の違った漁網を一定以上のグレードに保つこと、そして、支持脚としての強度や遮音性を確保するなど、条件設定に苦労しました。

どんなところに達成感を得ましたか?

開発後、お客さまへの販促活動を行っていく際に大きな反響をいただき、建築業界内でも環境に配慮した製品への関心が高まっていることを感じました。開発当初は、SDGsやCO₂排出量削減について話をしても理解してもらえないことが多々ありましたが、今ではコストや機能性だけでなく、環境配慮性も考慮して商品選定していただけるようになり、未来につながる商品開発ができたと感じています。

当社はこれまで培ってきた多様な技術を生かし、引き続き持続的な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

※算定結果は当社の算出結果であり、保証値ではありません。プロセスの各段階におけるCO₂排出量は調査による一次データとIDEAv2.3を参考に当社にて算出。算定結果は1㎡あたりの支持脚使用量を基に算出。