若手社員によるサステナブル座談会

SDGsトップ集合写真

若手社員によるサステナブル座談会

未来の当事者が語る
「ビジネスとサステナビリティの両立」

フクビでは2020年1月、各部門の若手・中堅社員が中心となりSDGsプロジェクトチームを結成。
アクションプランの策定や実践に取り組んでいきます。
チームメンバーのうち6名が集まり、熱いクロストークを繰り広げました。

参加者

参加者:H.H.

H.H.

技術開発部

参加者:K.H.

K.H.

Gシステム推進部

参加者:S.N.

S.N.

設備統括部

参加者:T.M.

T.M.

経営企画部

参加者:M.O.

M.O.

経理部

参加者:Y.K.

Y.K.

広報・IR推進室
(司会進行)

※所属は座談会開催時のものです

SDGsに取り組む私たちの思い

Y.K.:
SDGsプロジェクトチームでは、これから本格的な活動をスタートします。
まずはメンバーのみなさんの率直な思いを聞かせてください。
T.M.:
最初はSDGsとは環境活動のひとつなのかと思っていましたが、それだけでなく、貧困や健康などに関するゴールも設定されています。今回、SDGsについて理解を深め、持続可能とはそういうことなんだと納得しました。会社がやるからではなく、一人ひとりが考え行動することが求められていると思います。
S.N.:
自分は生産設備関連の業務に携わっているので展示会に行く機会が多いのですが、最近は単なる省エネではなくSDGsに絡めた提案が増えています。SDGsというキーワードは、思っている以上に世の中に浸透していますね。
SDGs座談会画像1
H.H.:
企業にとってはSDGsに取り組まないことがリスクと言われていますからね。一方で、上の立場になればなるほど、責任上どうしてもコストや生産性など利益確保を重要視せざるを得ないので、採算性が不透明な取り組みは躊躇してしまうと思う。今回のように、会社と社会の未来を担っていく若い世代が自由な発想でSDGsに関わっていくのは、すごくいいことだと思う。
M.O.:
若手だけでなく中堅社員がメンバーとして加わっているので、全社的に人を巻き込み推進していく力は強いんじゃないかな。
K.H.:
今回は部門横断型でチームを結成したこともポイントですよね。さまざまな視点から意見を出して、アクションの幅も広がる。
SDGs座談会画像2

フクビ流の持続可能なものづくりって?

Y.K.:
フクビではSDGsにつながる取り組みを従来から多数展開してきました。一方で近年はプラスチックを取り巻くさまざまな問題がクローズアップされています。今後私たちは、どのような方向で持続可能なビジネスを目指していけばいいのでしょうか。
M.O.:
プラスチックは快適で便利な生活を享受するのに欠かせない材料ですから、今後もなくなることはないと思います。でも、その中でフクビはどんな価値を提供できるかを真剣に考える時期にきていることは確かですね。
H.H.:
メーカーとしての大きな課題ですね。技術開発部門では数年前、ポリ乳酸を使った生分解性プラスチックの押出成型に成功しました。当時はコストの壁があり市場に浸透はしませんでしたが、時代背景が変わってきた今、再度アタックする価値はあると思います。そのほかにも、間伐材の木粉にリサイクル樹脂を混ぜて燃料ペレットや建材を製造したり、古紙や地場産業の和紙を使った製品を開発したりといった取り組みもあります。
  • 床衝撃音低減材「サイレントドロップ」

    床衝撃音低減材「サイレントドロップ」 再生樹脂を主原料として造粒加工を行った特殊遮音粒材を包装、放射される振動エネルギーを吸収し重量床衝撃音を抑制。

  • 断熱材「フクフォームEco」

    断熱材「フクフォームEco」 切断・加工ロスの産業廃棄紙に、再生プラスチック等を配合、従来の断熱材比CO₂を約80%削減。

  • 人工木材「プラスッド」

    人工木材「プラスッド」 間伐材を粉砕した木粉とリサイクル樹脂で、CO₂排出量を削減し環境に貢献。強度・耐久性に優れる。

  • 不燃手すき和紙化粧板「越柊」

    不燃手すき和紙化粧板「越柊(こしゅう)」 令和元年10月に新発売。福井県の伝統工芸品「越前和紙」に不燃と防汚・防水コーティングを施し、大判パネルとして耐久性と省施工性を付与。2019年グッドデザイン賞を受賞。

  • 異形押出成形

    異形押出成形 丸や四角だけでなく複雑な断面や、樹脂以外の多様な素材の同時押出も可能。

T.M.:
単純に石油由来を植物由来に置き換えればいいかというと、森林の商業伐採の弊害もありますから、一概に正解とは言えません。今後重要なのは、石油由来、植物由来ということではなく、資源循環型のビジネスモデルをつくることだと思うんです。
H.H.:
いろんなアプローチが考えられるよね。製造工程のロスを減らすことはもちろん、廃プラスチックを原料に混ぜて再利用したり。もう実践していることもあるけれど、よりシステマティックに取り組みを強化していく余地は大いにある。
M.O.:
循環型のビジネスは今後の主流になると思います。たとえば、化粧品市場に参入した欧州のハイブランドはブランド力を活かし詰め替えの口紅を提案していますし、国内でも使い捨てにならない樹脂製品のデザイン開発事例が出てきています。フクビでも、社外の知恵を取り入れながら、そうしたイノベーションに挑戦していけたら。
S.N.:
今後は廃棄物などの法制化や、省エネ型製品に対する国の助成というような大きな流れも生まれるはずです。SDGsを事業の成長に結びつけるには、国の政策の動向や市場動向を先読みして、戦略的に動くことも重要になると思います。
SDGs座談会画像3

17のゴールに向けて

Y.K.:
SDGsには17のゴールが設定されています。みなさんそれぞれの部門で、それぞれの立場で、これは自分たちが取り組むべきことだ、という考えやアイデアをお持ちだと思います。
S.N.:
設備関係は数年ごとに革新的な技術が登場します。情報収集をおろそかにしていると、サステナブルなものづくりに取り組む機会をたやすく失ってしまいます。そういう面では、常にアンテナを高く張って世の中の動向や新しい情報をキャッチし続けたいですね。それが時代の先を読むことにもつながります。
M.O.:
Y.K.さんが言うように、フクビはすでにいろんな取り組みをしてきています。だけど伝える力が弱い。コーポレート部門としては、会社が真摯に取り組んでいることをきちんと発信していきたい。単に「やっています」ではなく、中長期の取り組みの方向性を示し、その達成度を丁寧に公表していきたい。適切な情報発信は、新しい連携を生むきっかけになります。
SDGsアイコン
K.H.:
H.H.さんが言われた木粉については、消費者に近いお客様からトレーサビリティを強く求められます。これは実はチャンスで、地元の間伐材を有効利用していることを証明し、アピールできる仕組みをつくれば、SDGsに貢献するものづくりとして企業価値を高めることになると思います。
T.M.:
個人的には、地場産業の特徴を活かして、福井全体が循環型社会として世間から認められたら面白いだろうなと思っています。そのためにも「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」に注目したいです。日本の企業は自前主義が根強く、企業間のパートナーシップが形成しにくいため、オープンイノベーションが生まれにくい面があると感じている。まずは自社の利益を第一に考えるのではなく、持続可能な社会づくりを考えるSDGsこそが将来の企業価値を高めると捉え、パートナーシップを有効的な手段として取り組めたらどうか。
H.H.:
SDGsという共通言語が出てきたおかげで、他社との連携がしやすくなったのは確かです。一方でフクビが協力会社と組んで課題解決に取り組む場合、相手企業に過度な負担をかけないようにする配慮も必要です。
K.H.:
ピラミッド型の上下関係でビジネスを進める従来のスタイルには限界がありますね。お互いにないものを補い合うような対等の関係で取り組まないと、イノベーションは起こせないんじゃないかな。
SDGs座談会画像+SDGs17

SDGsと働く環境

Y.K.:
SDGsには「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」「目標8:働きがいも経済成長も」などのゴールがあり、女性が持続的に働くことができる環境づくりも課題になります。
M.O.:
フクビは結婚・出産後も仕事を続ける女性社員が多いので、女性が働きやすい環境はすでにあると思います。もう一歩踏み込むなら、働き方の選択肢がより多様になればいいかな。家族の介護やコミュニティ活動と仕事を両立させたい人もいるし、今後、副業を認める流れもあるかもしれない。育児中の男女に限らず、いろんな人が柔軟に働ける仕組みがあればと思います。
S.N.:
設備設計の職場はなぜか男性社員ばかりなのですが、男性しかできないかといえばそんなことは全くない。技術開発部門では女性の採用が増えているようですが、この流れが全社的に広がってほしいですね。
K.H.:
たとえばアメリカだと、仕事に人を割り当てる「ジョブ型雇用」が主流で、担当能力があれば性別や年齢は採用基準にできません。日本も一部を取り入れて進んでいくのではないでしょうか。受け入れる側とすれば、多様な人材が働きたいと思える、活躍できる職場に変えていかないと。工場ならパワードスーツを利用して、今は大変な力仕事が高齢者や女性も容易にできるようになるなど。
T.M.:
職場環境については、今後入社してくるSDGsネイティブ世代に活躍してもらうために、どんな場を用意すべきかということも考えておきたいですね。
SDGs座談会画像+SDGs5,8

2030年、そしてその先にある未来へ

Y.K.:
SDGsの達成期限は2030 年ですが、その先も私たちは一人ひとりが当事者意識をもってサステナブルな経営に携わっていきます。想像する未来のフクビ像や、意気込みなどを聞かせてください。
S.N.:
10年後は、ロボットやAI、IoTが、想像を超えるレベルで浸透しているはず。設備が高度化すれば、扱う人間にもそれ相応の能力が求められます。人材の教育に力を入れていきたいですね。
T.M.:
社会全体が今とは全く違う構造になっているでしょうし、産業では新たなサプライチェーンが構築されていると想像します。その中でフクビは重要なポジションに立っていなければならない。そのためには、メーカーという枠組みを取り払って考えるくらい大胆なアプローチも必要じゃないかな。
SDGs座談会画像4
M.O.:
サステナビリティに欠かせないのは、会社の視点ではなく社会の視点。それがなければ、企業として存続していけない時代になっていると思います。持続可能な社会に求められる企業としての役割をより一層果たすには、取り組みを後追いするのではなく、その一歩先を行くフクビの姿が理想です。
K.H.:
我々がいち早くSDGsに資する新しいビジネスモデルを構築して、それが10年後にスタンダードになっている。そんな未来に期待したいですね。
H.H.:
個人や一企業ができることは限られるけど、それでも一人ひとりが取り組もうという意識を持つことが重要だと思う。その積み重ねが社会をそして来未を変えていくんだから。
SDGs座談会画像5

開催日:2020年2月12日

フクビSDGsプロジェクトメンバー集合写真

フクビSDGsプロジェクトメンバー集合写真