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2026.09.14

早稲田大学との共同研究継続に関するお知らせ

 フクビ化学工業株式会社のまちづくり事業推進室(以下、フクビ化学工業)は、早稲田大学 人間科学部の佐野友紀研究室(以下、早稲田大学)と2023年度から居心地の良いベンチを明らかにするための共同研究を継続しております。

 本研究は、人々が快適に滞在し交流できる公共空間づくりを目的として、ベンチ配置や周辺環境が利用者行動・心理に与える影響を科学的に検証するものです。

 近年、都市部における駅前広場やオフィス周辺空間では、多様な働き方やライフスタイルへの対応が求められており、快適で魅力的な公共空間の需要が高まっています。当社は本研究を通じて、人々が自然と集い、滞在したくなる空間づくりに関する知見を蓄積し、まちづくり事業および関連製品・サービスの価値向上につなげてまいります

 2025年度は、これまでの研究で明らかになった課題を踏まえ、ベンチ周辺へのプランター設置が利用者の心理や行動に与える影響について調査を実施しました。研究成果は日本建築学会大会において発表しております。

調査の結果、

・プランター設置により利用者の「座りやすさ」や「周囲の視線の気になりにくさ」が向上

・ベンチ利用者数の増加が確認

・一方で、利用形態は長時間滞在から短時間利用へ変化する傾向を確認

などの知見が得られました。これらの結果から、公共空間の利用目的や立地条件に応じた適切な設計が重要であることが示されました。

 

 

【2025年度研究結果について】

 2025年度はベンチの配置に加え、プランターの有無と高さが与える影響を調査しました。2024年度と同様に田町駅前のペデストリアンデッキにて、2025年7月7日にアンケート調査、10月8日~20日(平日7日間)に行動観察を行いました。

 

  

左:平行配置/植栽1100mm、中央:垂直配置/490mm(植栽なし)、右:八の字配置/植栽1600mm

 アンケート調査では、被験者23名を対象に「座りやすさ」に関する項目について5段階評価しました。(表1が実験条件です。「プランターあり/490m

m ※植栽なし」では空のプランターを使用。)結果、プランターの設置により「人の視線の気になりにくさ」及び「座りやすさ」の評価は向上しました。一方、回転配置(垂直、八の字)について座席位置ごとに分析した結果、垂直では歩道側の座席の評価はほぼ変わりませんでした。今回プランターはベンチ中央に設置しており、歩行者動線との間ではなかったことから、設置位置への配慮が重要であると示唆されました。

表1.png アンケート調査では、被験者23名を対象に「座りやすさ」に関する項目について5段階評価しました。(表1が実験条件です。「プランターあり/490mm ※植栽なし」では空のプランタ

ーを使用。)結果、プランターの設置により「人の視線の気になりにくさ」及び「座りやすさ」の評価は向上しました。一方、回転配置(垂直、八の字)について座席位置ごとに分析した結果、垂直では歩道側の座席の評価はほぼ変わりませんでした。今回プランターはベンチ中央に設置しており、歩行者動線との間ではなかったことから、設置位置への配慮が重要であると示唆されました。

 

短時間行動.png

表2.png 行動観察では、「プランターあり/490mm ※植栽なし」以外の条件を実施し、延べ2,498人

を観察しました。(※「プランター無し」は2024年度のデータと統合。)その結果、プランター

の設置により滞在者数は増加する一方、平均滞在時間は減少する傾向が見られました。

特に回転配置ではベンチに立ち寄る利用者が増加し、荷物整理や身だしなみの確認などの短時

間行動が多く確認されました。以上より、プランター設置は利用者数を増加させる一方で滞在

行動を短時間化させ、滞在の量だけでなく質を変化させる要素であることが示唆されました。

 2025年度の研究からプランターの設置は利用のしやすさを向上させる一方、滞在行動を長時

間の着座利用から短時間の一時利用へと変化させる要素であり、利用形態に応じた高さおよび

設置位置の設計が重要であることが分かりました。

【今後の展開について】

 2026年度は、これまでの研究成果を基に、実際の公共空間においてベンチを長期間設置し、一般利用者を対象とした調査を実施しています。短期間の実験では把握しきれない利用者行動の変化や季節・時間帯による影響を検証し、ベンチ配置や周辺環境の設計条件が利用者の快適性や滞在行動に与える影響をより詳細に分析します。

 今後は、2023年度から継続してきた研究成果を体系化し、「人が自然と集い、滞在したくなる公共空間」の設計指針としてまとめることを目指します。また、ベンチの配置、植栽やプランターの設置、高さや向きなどの空間要素を組み合わせた実践的なガイドラインの構築を進め、駅前広場やオフィス周辺空間、商業施設など多様な場面で活用可能な知見として社会実装につなげていきます。

 さらに、研究成果を当社のまちづくり提案や関連製品の開発に反映し、自治体や民間事業者との連携を通じて実証フィールドを拡大することで、エビデンスに基づく公共空間づくりを推進します。最終的には、居心地の良さや滞在価値を定量的に評価できる仕組みの構築を目指し、持続可能で魅力あるまちづくりへの貢献を図ってまいります。

 

※過去の研究に関する情報は下記WEBサイトをご参照ください。

 https://fukuvicommons.jp